【プロジェクトレポート】めざせ! ラベル改善で売上げ増進 第三弾

効果歴然!実証実験速報

(平成25.12.10 産直コペルvol.3)

 POPラベル改善・売上げ倍増キャンペーンは、ラベルの売上げ効果の実証実験第一弾を終え、いよいよ、冬場・品薄時の効果測定に入ろうとしている。ここで、長野県内6カ所の直売所を舞台にして行われている実証実験の結果を踏まえて、ラベルを使った売上げ増のための“次の一手”を考えておこう。
【産直新聞社POPラベルプロジェクト】



それぞれのPOPラベルのレベル向上


 直売所で販売されている農産物や加工品に、独自のPOPラベルを貼り付けることで、消費者の目を惹きつけ、売上げ増につなげよう―その効果を測定することが本プロジェクトのテーマだ。
 8~9月に行った実証実験第一弾で判明したことは本誌「産直コペル」前号で報告したが、もう一度項目的に整理すれば以下の通りである。
(1)同一生産者の同一品目では、POPラベルを貼った商品の方が、売上げが伸びる傾向が顕著にあった。
(2)同じ品目で違う生産者が複数出品している場合には、品質や生産者名で購入を決める消費者が多く、POPラベルだけでは優劣はつけがたかった。
(3)生産者の名前で商品が売れる、リピーター客のついている「看板生産者」の場合には、「この人の商品」ということが鮮明に分かる「この人のラベル」が販売効果を上げる傾向がある。
(4)「トマト」とか「ブルーベリー」といった品目を書くよりも、品種名や特性、栽培方法などが分かるラベルが重宝がられる。
(5)同じく、単に「朝採り」と記すより、「今朝7時に採った」と具体性を持たせた方が消費者の関心を惹く。
(6)生産者の農業歴や家族の話などをちょこっと書くことが生産者の名前を覚えてもらうことにとって重要―などである。

一目で分かるラベルの説明が重要


 その後、実証実験に協力していただいている長野県内の直売所―道の駅しなの(信濃町)。あさつゆ(上田市)、ファーマーズガーデンあかしな(安曇野市)、Vif穂高(安曇野市)、アルプス市場(松本市)、たてしな自由農園(茅野市・原村)―等でのヒアリングを重ねる中で、商品に貼り付けるPOPラベルを、それ自体、自立的に捉えるのではなく、棚に設置するポップや、壁に貼ったり天井から垂らしたりするポスターやタペストリーなどと連動させることの重要性が浮かび上がってきている。
 端的に言えば、商品に貼ってあるPOpラベルが、なにを意味するものなのか?―それを一目で分かるように、ポップやポスターなどのほかのツールを使って表現することが大切だということである。ポップやポスターのほかにも、チラシやインターネットのホームページ、さらには包装紙やバックなども考えられる。
 例えば、上田の直売所あさつゆでは、付属する加工施設で作る加工品に「えだまめの会」という可愛らしいブランドシールを貼っている。もちろん、それが貼ってあるかないかで、ほかの加工品からは見た目で区別化される。しかし、「えだまめの会」とは一体何であるかは、店のどこにも説明されておらず、農家のお母さんたちが、自分たちの生産物を使って、力を合わせて、安全・安心の手づくり加工をしているグループ、その商品なのだということは伝わってこないわけである。
 これを打開するには、「えだまめの会」とはなにか、どんなことをしている、誰たちなのか……ということを説明する大きめのポスターのようなもの、もしくは、モニターなどから流れる動画映像などを活用することが必要であり、そこで提示される内容と関連性を持たせるマークなどが、商品に貼り付けられるPOPラべルにもつけられるというような工夫が必要になるわけである。
 このように宣伝・PRのためのツールを複合的に使用することをツールミックスと呼ぶことにしたが、実証実験の第二弾では、ここにポイントを置く予定だ。要するに、店づくり、棚づくり全体の中でPOPラベルを位置付けようという試みだ。


商品と同じくラベルも少量多品種で


 もう一つの重要な点は、POPラベルを制作しプリントアウトする手間暇の簡略化である。実証実験の第一弾で判明してきたことは、直売所に出店する商品に、個別のPOPラベル(裏面のラベルではない)を貼りたいと考える生産者は次第に増えてきているが、それにふさわしくパソコンとプリンターを使いこなせる生産者は依然として少数であり、先導的な直売所では、店の販売・事務のスタッフが、生産者の希望に応じて、ラベルをデザインし、市販のラベルシートの枚数売り(例えば1面36枚のラベルシートを2枚プリントアウトするというように)でカバーしていることが多いということである。
 だが、これも手間のかかることである。一度で20~30枚のラベルができてしまい、小回りが利かないことも克服すべき課題だ。
 直売所に並ぶ農産物は、日々刻々変わる。出荷する人も様々だ。そういう直売所ふさわしく、商品に貼るPOPラベルも、少量多品種製造でなければならないだろう。
 そのためには、簡易にラベルデザインができ、かつそれを、誰でも手軽に刷り出すことのできるシステムの構築が求められているわけである。
                  【産直新聞社POPラベルプロジェクト】

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