（平成24.12.10　産直コペルvol.3)

　宮崎県のほぼ中央部に位置する西都市。桜やコスモスの名所としても有名な日本最大級の古墳群「西都原古墳群」があり、日本書紀や古事記ゆかりの史跡もたくさん残されている、古代ロマンあふれた静かなまちです。私はこの西都で生まれ育ちました。
　地元の大学を卒業後、お隣の宮崎市内で好奇心が導くまま、プログラマーや雑誌の編集などの仕事をしていたのですが、30代になって故郷に戻りたくなり、西都市役所に入りました。

　市役所２年目で、私は宮崎県庁に出向になりました。そこで、同僚から県職員の自主研究グループに誘われました。研究テーマは「宮崎が好きになるような宮崎ＰＲソングを作る」こと。メンバーに音楽経験者がおらず、イメージどおりの歌を作ってくれる作曲家を探すところから始めた取り組みでしたが、本当に多くの人たちからの協力・応援を受け、宮崎らしい明るくてゆるい歌「ゆるゆるみやざき」を完成させることができました。その後も宮崎県のシンボルキャラクター「みやざき犬」や宮崎牛などの特産品の歌を作ってオリジナル動画をインターネットで公開するといった活動を続けています。「みやざきアピル隊」で検索するとたくさん出てきますので、よろしければご覧ください。


　そしてともに活動していた同僚は、先輩とともにテレビ局が主催したゆるキャラダンス選手権でみやざき犬を日本一に導き、県庁で全国のゆるキャラを集めたダンス大会を開催するなど宮崎のＰＲに取り組んでいます。その積極的な姿勢を見ていると、本当に負けていられないなと思います。
　西都市役所に戻って配属されたのは農政課。西都を「食創生都市」として全国に発信する係です。もともと西都市はピーマンやキュウリ、ニラ、マンゴーといった施設園芸作物の生産量が高く、優れた野菜の生産基地として市場関係者などには有名です。
しかし、一般の消費者に「西都」はあまり知られておらず、もっと西都を売り込んでいく必要があります。基幹産業である農業で西都ブランドを確立すること。そのため、西都市では食の情報発信基地となる「食の拠点」施設整備を計画しています。
　課されたミッションはとても大きいのですが、出来るところから始めたことが大きく花開く（ことがある）のは経験済み。現在、私は姉妹都市である長崎県西海市のイベントで販売する料理を考案中です。本当に小さな取り組みですが、大きな潮流につながることを願って、コツコツと取り組んでいきたいと思っています。

玉利加奈子さん
西都市農政課食創生推進係
宮崎大学農学部を卒業後、プログラマーや雑誌編集者を経て2010年に西都市役所入庁。２年間の宮崎県庁出向中、スポーツランド関連の業務に携わりながら、県の自主研究グループに参加し宮崎ＰＲソングを作る。このときに知り合い結婚した作曲家の夫とともに県のシンボルキャラクターみやざき犬の楽曲等を制作。現在は西都市役所農政課で「さいと物産・観光フェア」や６次産業化等に関する業務を担当している。