(平成26.4.10 産直コペルvol.5)
松本市奈川は松本市の西端、岐阜県と隣接し、岐阜と松本を分かつ峠、野麦峠はかつて製糸工場に働く女工さんを描いた映画「ああ、野麦峠」で知られたこともあります。
標高1200m、夏でも朝晩は冷涼で、年中冬布団が必要なその気候は蕎麦をはじめ、美味しい作物を育てます。最寄りのコンビニエンスストアまで車で30分と不便を上げたらきりが無い場所ではありますが 、山郷の遅い春には御殿桜と呼ばれる濃いピンク色の桜が控えめに山を彩り、豊富な山菜、夏はあま〜いとうもろこし、高原野菜、秋は鷹の渡り、そば、キノコと食の宝庫。冬の寒さは厳しいですがだからこそ、また来る春はより喜ばしいもの。お金は買えない豊かな恵みがこの奈川地区にはあります。
私は 奈川の山の恵みが詰まった直売所「ながわ山彩館」の施設長を務めて5年目、 奈川に住んで10年目を迎えます。
これまで私はながわ山彩館において 友の会の会員を募り交流、情報発信、月1回のイベント開催、郷土料理を学ぶ手作りの日を開催するなど、直売所の運営を通じて地域活性化に努めて来ました。今年は奈川在住10年の節目を迎え奈川活性化のため新たな取り組みをしたいと考えています。
健康長寿パワースポットながわプロジェクト(仮題)です。
奈川が高齢化が進んだ地区であることは想像に難くないと思いますが、なんと健康で長生きが多い地区なのです。
●松本市全体の高齢化率25%、要介護率18%
●奈川地区の高齢化率42%、要介護率14%
(2013年10月現在のデータ)
上記のデータは松本市35地区中、奈川は高齢化率ダントツトップ、そして要介護率がダントツに低い地区です。
四季折々の山の恵みが店に届くのは根気に山に通って採取し、手塩に掛けて作物を育てるじじちゃん、ばばちゃんのお陰。また、店でお客様を温かく迎えてくれるメンバーもオーバーシックスティー。元気なにいさん、ねえさんあってこその奈川です。(奈川では年配層をにいさん、ねえさんと呼びます)
直売所の支えでもある奈川の健康長寿の源を調査することからはじめ、奈川に住まう人がより一層健康長生きであるように、奈川を訪れたお客様みなさんの健康長寿につながるようなプランづくりなど、地域の大学にも関わってもらいながら、健康長寿パワースポット奈川として地域づくり、活性化により力を注いでいきたいと考えています。
プロフィール
一志千春さん
長野県北安曇池田町出身。奈川に移住して10年。5年前にながわ山彩館の施設長に就任。奈川は、松本市街から1時間ほど走った山村。高齢化する奈川の活性化を目指し様々な活動を続けている。
ながわ山彩館
〒390-1611 長野県松本市奈川2120-1
TEL.0263-79-2815