食の偽装に思う事

ふらっと美山代表   市原力雄

(平成25.12.10)
 先般、あるホテルをきっかけに始まった食の偽装問題。果てはサービスエリアの食材にまで及ぶ事となった。
 
 昔の話ではあるが、あるコミック誌で、安物の肉に穴をあけてそこに牛脂を差し込んで美味しい肉に替えた漫画があった。それが今の牛脂注入牛肉と同じであると言える。
 漫画の題名までは記憶していないが、はっきりとその場面は覚えている。当時としては「成程なー」と思わせられたのである。それが偽装食材として明るみに出て、次々と加工肉の存在が明らかになって来ると、その漫画の存在はかなり影響をもたらしたものだと思える。
 いずれは、火の消えたように世間の話題から消えていくのであろうが、本当の食の表示はどうなのだろうか?
 
タイトルなし
タイトルなし
 先日、直売所であるわが店で、お馴染みの納入業者から「この豆は国産ですが、地元で採れた物では無いので、良ければ考えて貰えないか」と数点の見本を持って来た。地元重視で特産品を扱うのをモットーとしているために「何処のマメか判らんのに使えない」論が先行し、破談となった。
 しかし、ある取締役が「じゃあ、お弁当などを加工している業者は、全ての食材を地元で賄っているのか?鯖街道の鯖寿司と言いながら、本当に国内の鯖を使っているのか?その辺の線引きをきっちりとしないと、本気で言われた時にはどう言い訳をするのか?」と言った。
 確かに、鯖寿司であれ、巻き寿司であれ、品目表示は有っても、何処の物とは表示されていない。鯖も、海苔も、中の具材にしても、はっきりと確認するには、製造する業者にしか聞く事は出来ない。
 少々、気になったので、馴染みの業者に聞いてみたら、意外と国内産に拘っていない業者もある事が判った。品名には表示されないため、何処の物かが判らないのである。
 そこで、先ほどの豆の話になるのであるが、それならば販売しても良いのではないかと言う事になって来る。確かに加工品である商品は、色んな材料を使用し一つの商品として送り出して来るのだから、その一つ一つをチェックすることは出来ない。ならば、その豆は当然、他の商品と同様に店頭に並べられるのである。
 
 では、その基準を何処に置くのか?地元の食材と言いながら、はなはだ心もとない結果になった今、偽装の食材もそういう土壌から生まれたのではないかと思える。
わが店としては、偽装の表示はしていないと考えているのであるが、それが間違いであるのかは定かではない。
 
 今後の課題として、一つ一つの加工品を細かくチェックし、指導していくしかないので、此処にしかない商品として、自信をもって勧められる特産品を目指し、取り組むしかないと思うのである。



ふらっと美山 市原力雄 さん
ふらっと美山 市原力雄 さん
ふらっと美山 市原 力雄 さん
「ふらっと美山」は、JA京都の店舗の閉鎖を受け、その跡地に、平成14年10月に地域住民の出資金で開設。
平成17年8月には、店周辺の広場「美山ふれあい広場」が既存の施設を利用する道の駅として指定を受け、直売所は道の駅の核となる店舗となった。
市原さんは、平成23年4月に入社。平成24年より取締役として、生産者の会などを担当。

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