地元、信州の農・食・暮らしを発信 ―さんちょく新聞より―

vol.98 「今年も、梅しごと。」

四季のある日本には、農業を軸にした食の暦がありました。「梅しごと」もそのひとつ。梅干、梅漬け、梅酒、梅シロップ、梅ジュース・・・、梅はそのままでは食べられませんが、手を加えれば、おいしく食べられ、日々の暮らしを豊かにしてくれます。
 6月から7月初旬、田植えを終え、本格的な夏に入る少し前、ほんの1ヶ月弱の短い間に行われる梅しごと。品種や収穫時の熟し加減によって味わいが異なるのも、梅のおもしろさ。農産物直売所では、そんな昔ながらの梅しごとが受け継がれています。次の世代に残していきたい「梅しごと」を特集します。

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耕運記



じめじめとした日が続くと、晴れた日が恋しくなりますが、雨上がりの澄んだ青空や、水分を含み生き生きとして輝いて見える畑の作物や草花、木々を見ていると、雨もきらいではないと思います。しかし、農家にとっては、じめじめとした湿気による病害虫などが発生しやすい時期でもあるかと思います。暑かったり寒かったり、天候も安定しない中、生育の様子を観察し、雨が多ければ排水にも気を配り、時には台風の心配もしなくてはならなかったりと、農家にとってはなかなか難しい、気の抜けない季節かもしれません。
 本格的な夏を迎える前の季節の変わり目、気温も安定せず、心身ともに疲れやすい時期ですが、そんな梅雨の時期に収穫できる「梅」は、疲労回復にうってつけの作物。この特集で改めて梅のことを考えたり、直売所のお母さんたちの話を聞いたりしていると、自然の恵みをうまく使いながら日々を乗り切ってきた先人たちの暮らしを、垣間見ることができたような気がしました。
 本格的な夏まで、あと少し。恵みの雨は、作物たちに新しいエネルギーを与えてくれることでしょう。私も旬の恵みを存分にいただきながら、これからの季節を乗り切っていきたいと思います!(柳澤愛由)

(平成30.6 さんちょく新聞第98号より)



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