直売所がこの先生きる道を共に探る

信州直売所学校2015 第9回

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こだわり農産物の新しい加工商品を試作する



 産直新聞社と長野県農政部農業技術課が主催する「信州直売所学校」は1月27日、第9講座を塩尻市にある県総合教育センターで開きました。前回(1月13日)に引き続き加工がテーマで、今回は福島県会津若松市を拠点に全国で加工品作りを指導している山際博美さん(山際食彩工房代表取締役)を講師に迎え、実習形式で行いました。
 参加した直売所関係者らは、自分の店で販売している加工品や扱っている素材を持ち寄り、こだわった部分や商品PRをしたほか、味や食感、パッケージなど改善したい部分などを発表。それに対して山際さんが発表者に適切なアドバイスを送りました。


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 シバ漬けを持参したグループは、日持ちさせるために塩分が多くなってしまいがちになると発表。それに対し山際さんは「(日持ちさせるには)真空パックにしてから、だいたい58〜70度で低温殺菌するといいです。袋のサイズや切り方によって熱処理の時間が変わるので何パターンかで試してほしい」と回答。
 また、ジャムを持ち込んだ直売所には、「ジャムはパンと一緒に食べるだけでなく他にも利用できる。商品にレシピを付けるなど食べ方を提案するといい」と提案。
 さらに、ジャムは生産者や店舗で競合しやすいことから、「ドライフルーツにしたり、食感に変化を加えてジャムでない別のネーミングで売り出すことも有効だと思う」と語りました。

 そして試作品を作る過程で大切なことは、
(1)どこで売るか・どういう売り方をするかを考えること
(2)3種類以上の試作品を作って吟味することで、選んだ商品を自信持って売ることができる
(3)消費者の立場に立って、形状や内容量を考えること(使いやすさの追求)
-などを話しました。

 この日は約20の団体・個人、およそ30人が参加。受講者たちは、他の直売所の発表からも何かヒントを得ようと終始真剣に耳を傾け、メモをとったり積極的に質問する姿が印象的。6次産業に対する熱意が会場を包んでいました。


次回の信州直売所学校



 次回2月10日の第10講座は最後の講座となります。テーマは「直売所の未来のカギを握る新しい農業の形」で、交流型体験農業に焦点を当てます。講師は都市農山漁村交流活性化機構(まちむら交流きこう)の吉岡靖さんです。
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GAPとは

GAPとは「Good Agricultural Practice」の略で〝良い農業の実施〟の意味。「人間の健康」「自然の環境」を守り、「持続的農業」生産を行い、消費者に信頼される健全な農業を実践することです。科学的知見に基づきながら、食品安全だけでなく、環境保全や労働安全など幅広い分野を対象とし、法令やリスクを認識しつつ、持続的な農業生産を目指します。

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