直売所がこの先生きる道を共に探る

信州直売所学校2015 第3回

タイトルなし


テーマは「土づくりから始めるこだわり農業」



 長野県内の農産物直売所の関係者を対象とした全10回講座「信州直売所学校」の第3講座を8月26日、塩尻市にある県総合教育センターで開きました。今回は「土づくりから始めるこだわり農業」と題し、土づくりの基本となる土壌分析や栄養成分、関連法の解説のほか、土づくりの実践例が報告されました。

 この日は、直売所の運営者や生産者らを中心に37人が参加。
 県農政部専技の山田和義さんは「農産物の成長と土壌・栄養成分」について語りました。土塊を軽く押すと、ほぐれて大小の団粒が出現する団粒構造に関して「団粒構造が発達した土壌は作物の根域が広がり、結果として多量の施肥を必要としなくなる」などの効果を語りました。

 また、そのための土壌診断の必要性も合わせて訴えました。県農政部農業技術課環境農業係の水谷浩史さんは「肥料(堆肥)の生産と販売〜肥料取締法の概要〜」と題して講義しました。肥料販売や肥料生産を行う際の行政への手続きとその意味、違反した場合の罰則などを法令を紹介しながら解説しました。


土壌診断に係る経費



【依頼する場合】
・JA…平均2,000円台(ただし組合員しか受け付けていないJAもある)
・民間会社…万単位

【自分で診断する場合】
・みどりくん(東農大開発。試験紙を用いたリアルタイム土壌診断キット)
  …6,000円程度


土づくりの実践紹介



 まず、信州ファーム荻原代表の荻原慎一郎さんが「減農薬・無農薬栽培米の大規模経営」と題して講演。「土づくりを取り入れてからは、干ばつなどの天候不順に左右されない安定した収量を確保できるようになりました」などと効果を語りました。NPO法人「土と人の健康つくり隊」理事長でスーパーツルヤ元常務の伊藤勝彦さんは「農家の土づくりコストを2分の1以下へ」をテーマに低コストでできる理想の土づくりについて熱く語りました。「コストが安くなければ意味がない。農家は低コストで知らず知らずに理想の土づくりができる」と、研究開発し実践している完熟発酵堆肥こそが、地域農業を支える柱になると訴えました。

 次回は9月2日。「GAPとは何か。導入の意義と方法」について学びます。


カリキュラム・参加申込書ダウンロード



 現在、信州直売所学校では、各回の聴講生を募集しています。興味回のみの参加も受け付けております。お誘いあわせの上、ぜひ、ご参加ください。
 参加申込は↓の申込用紙をダウンロードいただき、必要事項を記入の上、産直新聞社(FAX0265-82-1261)までお送り頂くか、お電話(TEL0265-82-1260)でお申込みください。

信州直売所学校カリキュラム (pdfファイル、4653103バイト)
信州直売所学校申込書 (pdfファイル、677835バイト)
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GAPとは

GAPとは「Good Agricultural Practice」の略で〝良い農業の実施〟の意味。「人間の健康」「自然の環境」を守り、「持続的農業」生産を行い、消費者に信頼される健全な農業を実践することです。科学的知見に基づきながら、食品安全だけでなく、環境保全や労働安全など幅広い分野を対象とし、法令やリスクを認識しつつ、持続的な農業生産を目指します。

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