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中学生にできる地域おこし     カレーフェスin鹿嶺高原 

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7月29日(日)10:00~15:00、長谷中学校3年生が企画するカレーフェスが鹿嶺高原(長野県伊那市長谷)にて開催されます。「ざんざ亭」「ロイヤルナンハウス」などの飲食店のほか、地元の食文化研究会や消防団なども参加、それぞれの自慢のカレーが提供されます。中学生が自分たちで育てた野菜、米を使った「ジビエカレー」もそのひとつ。鹿肉も自分たちが設置した罠で捕獲したものだとか。中学生が、地域の魅力を知ってもらいたい!と自ら考えたカレーフェス。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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自給自足のジビエカレー
 長谷中学生がカレーフェスで販売予定のジビエカレー、野菜も米も長谷中学校で作られたものです。長野県伊那市では学校生活の中に農作業を取り入れる食育事業「暮らしの中の食」を行っており、その一環として長谷中学校では敷地内や畑で、野菜を作っています。 
 毎月プレミアムフライデーには、「長谷の縁側」が中学校で行われ、地域住民とともに農作業をする交流会が行われているそう。6月29日に行われた長谷の縁側では、カレーフェスで提供予定のジビエカレーの試食も行われました。あちこちから聞こえる「おいしい」という声に、笑顔があふれていました。

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内藤とうがらしと中尾歌舞伎
 3年生が中心となり、企画開催するカレーフェスには、1年生と2年生も出店します。1年生は長谷中で栽培した伝統野菜、内藤とうがらしを使ったラー油「長谷の太陽」をかけたソフトクリームを販売します。「辛味と甘さがなんともいえず美味しい」と本人たち。子どもの意見は素直なので間違いありません。ぜひ、試してみたい一品です。
 2年生は中尾歌舞伎のファンクラブメンバーを募集するそう。以前は、中尾地区の人で行われていた伝統的な中尾歌舞伎。演ずる人が減り、公演ができない年もありましたが、今は中尾地区以外の方も加わり、中尾歌舞伎ファンの方々に支えられて存続しています。長谷の文化を守りたいと、2年生は中尾歌舞伎をPRします。

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しかみねくん
 カレーフェス参加者にはバッジも配られます。バッジにあるマスコットキャラクター「しかみねくん」は、角がカレーの文字を表す、カレーフェスのマスコット。3年生がデザインを考え、担任の堀口はるか先生が形にしてくれました。「準備期間が短く、大変なこともありますが、中学生が自らお店に出店交渉に行ったり頑張っています」と堀口先生。しかみねくんのアップリケがついたTシャツを着て話してくれました。

生徒会長の小松駿斗さん
生徒会長の小松駿斗さん

中学生にできる地域おこしを
 中学生が自ら企画運営して行う地域おこしは、全国的にはまだ少なく、授業から発展したものがほとんどです。なかでも全校生徒が関わって作り上げる学外イベントは珍しく、長谷中学校ならではといえます。
 カレーフェスの発端は昨年に行われた総合の授業から。熱田神社と鹿嶺高原、美和ダムの3つの班に分かれ、長谷にある魅力探しをしたそうです。「鹿嶺高原の自然とか、魅力を意外と地元のひとの方が知らなくて。もっと知ってもらいたいと思ってカレーフェスをしようという話になりました」。そう話してくれたのは、生徒会長の小松駿斗さん。鹿嶺高原の自然をより楽しんでもらうため、フォトロゲというお題の写真を撮ってくるコンテンツなども用意しているそうです。
 長谷中学校は、全校生徒45名。年々生徒数も減るなか、地域住民の少子高齢化に対する危機意識は高くなっています。カレーフェスをする3年生を見て、「かっこいいと思うし、自分も何かやってみたい」と話す1年生の生徒がいたり、地域おこしが自分事として考えられ、憧れの対象にもなっていることが伺えました。
 続かなければ意味がないとか、地域おこしにはいろいろな考えもありますが、自分たちで地域のことを考え一歩を踏み出した長谷中学生の行動は、確実に地域住民の希望になっていると思います。
 そんな中学生の頑張りを応援に、そして美味しいジビエカレーを食べに、7月最終日曜日はぜひ、鹿嶺高原に行ってみませんか。