地元、信州の農・食・暮らしを発信 ―さんちょく新聞より―

ご存知ですか?信州にゆかりのある梅の話

梅の産地といえば和歌山県を思い浮かべる方も多いかと思いますが、ここ信州でも、さまざまな品種の梅が栽培されているのをご存じですか?このページでは、信州ゆかりの梅の品種と、その特徴についてご紹介します!

竜峡小梅



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長野県の小梅生産量の中でも大半を占めるのがこの品種。主に飯田・下伊那地方で生産されている小梅で、下伊那郡松川町原産。天竜川の渓谷「天竜峡」にちなんでその名が付けられた。収穫期は5月下旬から6月上旬頃で、実がしっかりとして硬いことから、カリカリ梅に主に用いられる。

改良内田


和歌山県の在来品種である「内田梅」の中から昭和29年に発見された偶発実生(ぐうはつみしょう)(偶然発見された品種)。収穫期は6月中下旬頃。皮が柔らかで肌が滑らかなことから、梅干しに最適。果実は20〜25グラム程度。

飯田小梅(吉村小梅)



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竜峡小梅と共に、南信州を代表する品種の1つ。吉村小梅とも呼ばれる。竜峡小梅よりも実が大きい。種が小さく果肉が厚いのが特徴。

三尾紅梅



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木曽町三岳地区で古くから栽培されてきた中型の品種。約200年前に御岳の信者が持ち込んだとされている。同町にある御岳梅園では、梅の花が開花する4月上旬から下旬にかけて、この三尾紅梅と残雪の駒ヶ岳が望めるとあって写真スポットとしても人気がある。

前沢小梅


中川村の前澤千舟さんによって育種された小梅。収穫期は他の小梅品種よりやや早く、果実の大きさは7〜10グラム程度。耐寒性があるため標高が高い地域でも栽培が可能。

信州豊後



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梅とあんずの雑種で、アンズに近い品種といわれる豊後は、全国各地でいくつもの系統がある。信州豊後のその中の1つ。粒はとても大きく50グラム前後。果肉が熱いため、砂糖漬けや梅酒にも最適。

梅はその日の難逃れ


「梅はその日の難逃れ」ということわざもあるように、昔から梅干しは健康に良く、毎日食べるのが良いとされてきたほどです。
 そんな梅干しの栄養素の代表格ともいえるのが、「クエン酸」。梅干しに含まれる有機酸には、クエン酸が豊富に含まれています。クエン酸には、次のような効果があります。

其の一:疲労回復効果


クエン酸には、疲労のもととなる乳酸を燃焼・分解する作用があるため、梅を食べることにより体の中で疲労物質がたまるのを抑えられ、疲労回復を助けてくれます。

其の二:食中毒予防


これからの季節は特に、食品が傷みやすくなる時期。クエン酸には殺菌効果があり、細菌の増殖を抑え、食品の腐敗を防いでくれる効果があります。食べ物を持ち運ぶ必要がある際には、お料理に梅を取り入れてみるのはどうでしょう。

其の三:熱中症予防


熱中症による脱水症状を改善するのには、水分だけでなくミネラル分の摂取が重要です。クエン酸は、ミネラルの吸収を促進させる働きがあるため、水分補給と合わせて梅干しも摂取することで、熱中症対策に役立ちます。

「塩梅」などという言葉もあるように、私たちの生活に身近な梅干し。本格的な夏の到来を前に、梅干しの効能を、賢く生活に取り入れてみては。

(平成30.6 さんちょく新聞第98号より)