直売所がこの先生きる道を共に探る

信州直売所学校2015 第7回

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直売所運営上の現在的なポイント3点



 長野県内の農産物直売所の関係者を対象とした全10回講座「信州直売所学校」の第7講座を12月16日、塩尻市にある県総合教育センターで開きました。今回は「直売所運営上の現在的なポイント3点」と題し、直売所の運営と店舗・商品管理、直売所の活性化に向けた組織内で議論を活発にするテクニック、直売所を拠点とした加工・業務用野菜の契約栽培についてが、3人の講師から報告されました。受講者は過去最高の約50人。


直売所の運営と店舗管理、商品管理



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 株式会社小さな流通研究所代表取締役の鎌田定宗さんは「直売所の運営と店舗管理、商品管理」と題して講演。農業の下請け産業からの脱却を目指して立ち上げた「ポケットファームどきどき」(茨城県)の経験談を語りながら、入口は明るく清潔に、売り場に死角は作らない、棚の高さの目安など店舗管理の基本となる一部を紹介しました。
 さらに、「これからの直売所運営には客の滞留時間を長くする工夫が重要」と強調し、合わせてマスコミの活用や食育イベントの重視、消費者の囲い込み、社会貢献、女性の視点を事業に組み込む、施設力・商品力・サービス力強化の、直売所運営に必要な「“7本の矢”を備えてほしい」と呼び掛けました。


議論を活性化させるためのリーダーの心得とテクニック



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 各種会議や協議会のメンバーとして活躍する、地域コーディネーターの山本真さんは直売所内で活発に発言し合える雰囲気作りや、組織をまとめるリーダーの考え方などを「議論を活性化させるためのリーダーの心得とテクニック」と題して参加者に伝えました。
 山本さんは「複雑化した現代では直線的に解決できる課題はほとんどない。唯一絶対の解決策はなく複数の納得解を実践していく必要が高まっている」とリーダーの手腕、力量が問われる時代と語り、具体的には「中央集権のピラミッド型から自律分散協調型のネットワーク型に組織形態が変化。人と人との関係性を促進するファシリテーション型リーダーが求められている」と解説しました。


直売所を拠点とした加工・業務用野菜の契約栽培



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 弊社が隔月で発行している産直コペルに毎号寄稿していただいている東京農工大学大学院の野見山敏雄教授は「直売所を拠点とした加工・業務用野菜の契約栽培」と題して講演。日本農業が対応すべき課題の一つとして掲げたテーマで、「今後の青果物産地は、加工・業務用需要にどう対応するかが課題」と問題提起しました。
 事実、市場での加工・業務用の野菜需要は増加傾向にあるものの、実際には契約栽培の経験がない生産者は契約どおりに出荷できるか不安を抱え、また買い手を見つけることも困難・不慣れなため、加工・業務用野菜の生産が伸びていないという。「いずれにしろ、加工・業務用野菜の需要は、高齢化と単身世帯の増加により伸びることはあっても減ることはない。契約栽培の新たな仕組みが必要で、中間事業者を経由した流通経路を構築することで課題はある程度解決できるはず」と語りました。


次回の信州直売所学校



 次回の信州直売所学校は1月13日です。テーマは「環境保全のこだわり農産物を活かす加工方法」で、実践している直売所から「道の駅いまい恵みの里」駅長の犬飼公紀さんが活動紹介します。また、食品衛生管理と食品表示は県の担当職員、特産加工品の評価と改善計画づくりを産直新聞社代表の毛賀澤明宏が解説します。
 加工をテーマにした講座は2開催連続となります。1月27日の講座(テーマ:地域資源を活用した新商品開発)は実習となりますので、座学でしっかり学んだ上で、実習に臨んでいただけたらと思います。


カリキュラム・参加申込書はこちら



 現在、信州直売所学校では、各回の受講生を募集しています。興味のある回のみの参加も受け付けております。お誘い合わせの上、ぜひ、ご参加ください。
 参加申込は↓の申込用紙をダウンロードいただき、必要事項を記入の上、産直新聞社(FAX:0265-82-1261)までお送り頂くか、お電話(TEL:0265-82-1260)でお申し込みください。

信州直売所学校申込書 (pdfファイル、677835バイト)
信州直売所学校カリキュラム (pdfファイル、4653103バイト)
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GAPとは

GAPとは「Good Agricultural Practice」の略で〝良い農業の実施〟の意味。「人間の健康」「自然の環境」を守り、「持続的農業」生産を行い、消費者に信頼される健全な農業を実践することです。科学的知見に基づきながら、食品安全だけでなく、環境保全や労働安全など幅広い分野を対象とし、法令やリスクを認識しつつ、持続的な農業生産を目指します。

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