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東京から「旬八青果店」を訪ねて

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 以前『産直コペルvol.10』の「都会で味わう田舎」の中で紹介した「旬八青果店」。昔ながらの八百屋スタイルで、現在都内に10店舗を構えている。
 同店イベント責任者の佐藤さんからメールが入った。現在「市区町村フェア」を展開中だという。取材から1年が経ち、東京都心のど真ん中で八百屋業を展開する「旬八青果店」がどうなっているか気になっていた矢先の連絡。今回の「雲仙市フェア」は昨年11月の「種子島フェア」に続き第2弾。すでに、第3弾の予定も決まっているという。
 「旬八青果店を、東京と地方を繋ぐメディアとして活用してくれたらうれしい」と佐藤さん。そんな声を受け、旬八青果店の中でもとりわけリピーターが多い五反田店に足を運んでみた。


定期的に「市区町村フェア」を開催



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 「市区町村フェア」期間中は、全店舗の一角に特別棚を作り、そこに地域限定の伝統的な青果や加工品を並べて販売している。形が悪いというだけで通常は商品とならない規格外の青果や、その地域に根づいている珍しい野菜、それを使った加工品がフェアの目玉商品だ。旬八青果店に立ち寄る都市生活者がそのコーナーに注目することが、その市町村の応援に繋がると旬八経営者は考える。各店では、前もって知識を得た店舗のスタッフが商品の説明・地域の情報・生産者の思い・美味しい料理法などを販売しながら伝えてくれている。


東京都心に八百屋を展開中



 東京オリンピックまでに都内店舗をさらに増やしたいという「旬八青果店」のビジネスモデルには、経営者の左今克憲さんの強い思いがある。需要があるのによい野菜が足りない都市部と美味しい野菜を作っているのに、規格や物流コストの高いハードルに阻まれて売り先を失う農家。両者が喜ぶ形の農業ビジネスを考えるうちに対面販売の八百屋の取組が始まった。


旬八のスローガンは
「新鮮・美味しい・適正価格」



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 「新鮮・美味しい・適正価格」は、旬八が一番こだわる点で、店の存在意義でもあるという。野菜をいかに早く八百屋に並べるかが新鮮さの鍵となる。生産者から採ったばかりの野菜を直に配送してもらいそれを自社のトラックにつけて、各店舗に必要な分を振り分けていく。中間業者を入れず、配送コストもできる限り抑える中で、生産者の希望価格に添いたいと考えて値を決める。適正価格とは、手頃な価格をいうのではなく、野菜の持つ価値に見合った値段であり、生産者、バイヤー、消費者が納得がいく価格なのだ。


野菜の事、生産者の思いを
しっかり伝えられる八百屋さん



 毎日の食卓に欠かせない野菜たち。本当は見た目や値段だけで求めたくない。まずは安全安心・美味しいのが良いに決まっている。最近では、どこのだれがどういうやり方で(どんな思い)で作っているのかを知って求めたいという消費者が増えている。それによっては、形が悪くても、多少傷があっても買ってくれる人は実は多いのだと関係者は話す。
 旬八青果店では、昔ながらの八百屋スタイルを都心に持ち込み、消費者が知りたい情報を生産者に代わって伝える役割を果たす。都市部の消費者の要求を満たし、野菜や果物への興味を持って買ってもらえたら、店舗をスピーディーに増やせると考えている。


雲仙市(長崎県)フェア



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 「雲仙市(長崎県)フェア」は、雲仙市産業振興部の協力のもと、2月19日(金)~3月18日(金)の期間中、全店舗で開催されている。フェア後も好評の商品は継続販売していく予定だ。
 雲仙市に郷愁を感じる方も長崎県雲仙市に興味を持たれる方もこの機会に旬八青果店に足を運んでみてはいかがだろうか。雲仙の自然の恵みと地元の作り手の想いの詰まった「よかもん」が見つかるかと思う。

(平成28.3.2)